TOEICで「全問解き終わらず、泣く泣くマークを塗りつぶした」経験はないでしょうか。
TOEICは「リーディング」「リスニング」に分かれ、「リーディング」は75分が与えられます。75分間で100問を解く必要があるこの試験では、とにかく時間勝負になります。
今回は、この時間配分を対策してスコアアップする方法をまとめました。
TOEICリーディングの時間配分と注意
リーディングテストは「リスニング」よりも難しいといわれることがあります。
「リーディング」は分量が多く時間配分が難しいことに加えて、問題のレパートリーが多く個別に対策が必要なためでしょう。
どのような対策が必要なのか、具体的に見ていきます。
回答する順番を決めておく
実は、TOEICリーディングの回答順番は決まっていません。つまり、「Part5」から始める必要はないということです。
私の場合、「Part7」から回答するようにしています。
「Part7」は集中力を多く必要とするので、頭がクリアな前半を使った方が早く解けるからです。
また、「Part7」終了時点で残った時間で「Part5」「Part6」と駆け抜けることで、わざと制限時間を作ります。そうすると、ダラダラ迷うことがなくなります。
ここは、それぞれが「自分に合った時間配分と順番」を見つけることが大切になります。まずは、公式問題集などを使って試しにPart7 から始めてみましょう。思わぬ発見があるかもしれません。
☑ Part7 から解いてみる
「何分迷えるか」を決めておく
スコアが伸びないうちは、「回答できない」or「時間がかかる」問題が多くあります。それだけに、「わからない問題」の対処を明確にしておく必要があります。
例えば、「Part5」では、かなりレベルの高い語彙問題も出題されます。その一問のために貴重な時間を使っていては、ほかの問題を解く時間がなくなります。
1問ミスしてもハイスコアは取れます。
解ける問題を全問クリアするほうが大事だね。
「Part5」で迷うことができるのは「一問20秒まで」などあらかじめ決めておけば、自動的に全問を解けるようになります。
これは「Part6」「Part7」でも同じ考え方が使えます。特に「Part7」はトリプルパッセージ問題に時間を取られやすいため、「捨てる覚悟」がスコアに大きく影響します。
スコア600~700くらいを目標とするなら、問題を捨てられる人の方が圧倒的に強いです。
リスニング最後の問題がリーディングのスタート時間
TOEICは「リスニング」 -> 「リーディング」の順番で進み、休憩時間はありません。
逆に言えば、「リスニング」の終了時間時点でマークが終わっていないと「リーディング」の時間ロスになります。
さらに言えば、「リスニング」最後の問題のマークが終わっていれば、放送が流れていても「リーディング」を始めることができます。
つまり「リスニング」を対策することは、自動的に「リーディング」の時間稼ぎになるということです。
加えて「リスニング」の消耗が少なければ、「リーディング」開始時点で思考力に余裕があり、余力があるほどスコアも上がります。
TOEICリーディング対策はとにかく「時間配分」がカギ?
前述の通り「リーディング対策」はタイムマネジメントが重要です。
「時間配分」を明確にして、わからない問題は即あきらめることがスコアアップのカギになります。
ここからは、本番で与えられる「75分をどう使うか」について解説します。
TOEICリーディングの時間配分について
TOEICリーディング対策でまず、重要なのは「自分の時間配分」を探ることです。
ハイスコアを取るつもりなら、模試や本番を解く中で最適な時間配分を見つけていく作業が必要になります。
参考までに、私の時間配分の目安を載せておきます。
リーディング | 内容 | 回答順番 | 目安時間 |
---|---|---|---|
Part 5 | 短文穴埋め問題 | 【 2 】 | 10 分 |
Part 6 | 長文穴埋め問題 | 【 3 】 | 10 分 |
Part 7 | 読解問題 | 【 1 】 | 55 分 |
この時間配分と順番はあくまで私の場合です。
実際には「Part 7」は55 分を切り「Part 5」も10 分未満で終わりますが、「目標タイム」のような感覚を持っています。余った時間をすべて「Part 6」に使うという感じで配分しています。
特に回答の順番については正解が全くないので、経験と好みで決めてOKです。
私は昔「Part 6」の文挿入で迷い「Part 7」に使える時間が減り全問解けなかった経験があり、「Part 7」は「絶対すべて解く」という決意をしたため、この順番になっています。
そのおかげか以降、時間内に解き終わらないということはなくなりました。
ちなみにTOEIC 「Part5」を時間内に回答する方法についてはコチラの記事で解説しています -> (参考:TOEIC「Part5」の時間配分と時間短縮のコツ)
「時間配分を意識して」模試で演習する
スコアが400~500台くらいであれば、自分の時間配分もまだ身体に沁みついていない段階だと思います。その場合は、前述の表の通りで時間配分を決めてしまって大丈夫です。
時間を変更するのは、上記の時間配分で支障が出た時でOKです。
時間配分に慣れるには、公式問題集を解くことが最適です。本番よりも安くテストができます。実際に腕時計を用意して、時間と順番を意識しながら模試を解きましょう。
最初のうちは決めた時間が守れず、はみ出してしまうこともあるでしょう。私も最初そうだったので、大丈夫です。それに、上記の時間配分で解けるということは「時間内に100問すべて解き終わる」ということです。
スコア400~500レベルで、リーディングをすべて解き終わるのは不可能です。
逆に言えばすべて解き終わるレベルなら800台は余裕で取れるよ!
最初はゆっくりと時間に慣れることから始めましょう。
☑ 自分の時間配分を決める
☑ 公式問題集で慣れる
「時間が足りない」をなくすTOEICリーディング対策
ここからは、TOEICリーディング対策の中でもスコアアップのコアになる部分を解説します。
TOEICリーディングは、「ベースの英語力」「読解力」があれば高得点を取れるようにできています。ここで解説する部分を鍛えることで、そもそもの「英語力」を向上させることができるでしょう。
文法を理解する
「読解」「文の挿入問題」「語彙選択問題」すべてに共通するのが「文法」です。
「文法」というと固くとっつきにくいイメージがありますが、要は「パターン」と「ルール」であり私たちが英語を理解する手助けをしてくれるものです。したがって、「文法」を理解していると文の構造がとりやすく、「より速く」英語を読めるようになります。
定型表現とセットになることが多いため、英文全てをちゃんと読まなくても「よく出てくるフレーズ」として読み飛ばすことができるようになります。
「英語の理解に文法は必要ない」という人をたまに見かけますが、間違いなので流されないようにしてください。
近道はないんだね・・
☑ 文法は速読を助けてくれる味方
スラッシュリーディング
ここは少しテクニックよりの話になります。「スラッシュリーディング」という読み方は聞いたことがあると思います。
スラッシュリーディングとは、意味のまとまりごとにスラッシュ(区切り)を入れて文の構造をわかりやすくする英文の読み方です。
最終的にはスラッシュリーディングに頼らない状態を目指す方がいいですが、最初のうちは一回でもやってみることをおすすめします。
ちょっと読みやすくなるのがわかるでしょうか。
自分が英文を読むときにどういうところにスラッシュを入れて読んでいるかがわかると「こういう読み方もあるな」「ここにスラッシュを淹れたらもっと早く読めないか」と矯正していくことができます。
スラッシュリーディングによって「自分の癖」がわかるようになり、間違った構造の取り方に気付けるようになります。
☑ スラッシュリーディングを試す
語彙力を上げる
リーディングのスコアアップのためには、「単語」「熟語」などの語彙力を強化する必要があります。
何度も言いますが、TOEICは時間勝負なので、知らない単語にかける時間はありませんし、「わからない」時点で即捨てる必要があります。
特に「Part 5」では、「知っているかどうか」だけでスコアが変わる「語彙問題」も多く出題されます。そして知っている単語であれば5秒で解ける問題もあるのです。
そういった「楽に正解できる問題」を増やすことで、ほかの問題に使える時間が増え、結果的にハイスコアを取ることができます。
英語はやっぱり単語が命ですね。
単語力に不安があるひとは↓の記事も見てみてね!
☑ なんだかんだ単語が命
英文に触れる機会を増やす
「速読」は、一朝一夕で身につくものではありません。
私たち日本人が日本語を読むのにストレスがないのと同じで、同じ状態を英語でも目指す必要があります。そのためには、「とにかく英文に触れる機会を増やす」ことが大切です。
情報を英語ベースで取ることが当たり前になれば、おのずとリーディングスコアもアップします。そのための方法は無限にありますが、参考までにいくつかやり方を紹介します。
スマホやPCを英語設定にする
まず、いますぐスマホの言語設定を英語に変えましょう。
スマホは一日で触る機会が多いもののひとつなので、それが英語ベースになれば、英語に触れる時間は自動的に加算されます。
最初のうちは気持ち悪いですが、徐々に慣れていき、面白くなってきます。
そして、最終的にはそれが当たり前になり何も感じなくなります。
「使い方がわからなくなったらどうしよう」と最初は不安に思うかもしれませんが、わからない単語は都度調べるようにすれば全く支障はありません。
今すぐ変更!
個人的には、この使い慣れていたものが言葉の壁で一気に使いづらくなる感覚に惹かれます。徐々に言葉を覚えて使い慣れていく過程が快感なのかもしれません。
☑ 今すぐスマホを英語に変える
ニュースは英語で見る
通勤電車でニュースを見るという人は、「リーディングスコア」アップのチャンスです。普段見ているジャンルのニュースを英語で検索しましょう。
興味のあるジャンルであれば、読むことも苦になりませんし、知識があるので内容も理解しやすいでしょう。方法は「ネットニュース」「新聞」なんでも構いません。
☑ ニュースアプリを英語版にする
映画は英語で見る
洋画はリスニング対策として挙げられることが多いですが、実はリーディングの対策にもなります。
英語初心者にとって、洋画のスクリプトは切り替えが早くついていくのが大変です。
しかし、練習していくうちに徐々に慣れていき意味が取れるようになります。
TOEICリーディングでは、これと同じでスクリプトの即時理解が必要になるので、とてもいい練習になるでしょう。
☑ 洋画は英語で見る
単語帳の例文を読むようにする
TOEICの高得点を目指している人におすすめなのが、「単語帳の例文を音読する」ことです。
スコアアップには語彙力が必要ですし、同時に「発音」「読解」すべてを強化する最高の方法です。
これが習慣になれば、自動的にハイスコアを取るための下地は準備できたことになります。
簡単だと飽きてしまう人は、英検1級の単語帳を使うのがおすすめです。
☑ 英単語帳の例文をひらすら読む
興味のあるジャンルの洋書を読んでみる
少し上級者向けの方法ですが、洋書を読むことは実践的な英語を身に着けるうえでとても役に立ちます。ニュースの場合と同様に興味のあるジャンルであれば情報を得ることは楽しいですし、読書時間のプラスにもなります。
私は科学が好きなので、科学系の専門書を読んでいますが、自分の好きなジャンルの内容が図解付きの英語で解説されているのを見るとすごくワクワクします。
余談ですが、イギリスやアメリカで発行されている本は情報の質が非常に高いです。
日本に輸入されてくる本は、そもそもがベストセラーや定番の書物が多いというのもありますが、それだけではないことは国内ベストセラーと比較することでもすぐわかります。
本が好きな人は、一度だけでも書店の洋書コーナーをのぞいてみることをおすすめします。
東京丸の内にある丸善(4F)は品揃えがいいので、一度行ってみてね!
TOEICリーディング対策のおすすめ参考書
TOEICリーディング対策のおすすめ参考書です。
参考書によって難易度が結構変わってくるので、「初級」~「上級」まででランクをつけています。
【初級者向け】TOEICリーディング対策の参考書
初級者向けのTOEICリーディング対策の参考書はこちら。
TOEIC(R)TEST長文読解TARGET600 NEW EDITION
TOEICリーディングの「傾向と対策」「重要単語解説」など、TOEIC初心者に優しい要素がたくさんある本。
また、小さいノートくらいのサイズなので持ち運びも簡単です。
本書は「スコア別」「リスニング」などシリーズ化されていますが、TOEICの取っ掛かりとしてはおすすめです。
優秀な要素がたくさんある半面、問題数が少ないというデメリットがあるため演習用の参考書は別に用意しておいた方がいいでしょう。
【中級者向け】TOEICリーディング対策の参考書
中級者向けのTOEICリーディング対策の参考書はこちら。
【TOEIC® L&Rテスト精選模試 リーディング】
「TOEIC(R) L&Rテスト精選模試」のリーディング専用版。
一冊当たりの問題量が多いため、練習量を積むのに最適です。
難易度・問題量・質・コストパフォーマンスすべてにおいて、とても優れています。
TOEICハイスコアを目指す人にもオススメできる問題集です。
スコア600くらいの人は、この問題集を周回しているだけでスコアが上がります。
【上級者向け】TOEICリーディング対策の参考書
上級者向けのTOEICリーディング対策の参考書はこちら。
【TOEIC L&R TEST 990点獲得 Part 5 & 6 難問模試】
ハイレベルなTOEIC「Part 5」「Part 6」対策書。
10回分の模試が付いています。
20分程度あれば、いつでも勉強できるのでスキマ時間に有効活用しましょう。
難単語が多く、応用文法もあるので上級者向け。
解説や解答欄は見やすく、意地悪な問題はありません。(シンプルにハイレベルなだけ。)
【TOEIC(R)TEST長文読解TARGET900 NEW EDITION】
Part7が苦手な人はこちら。
本書は問題数が少ないのはデメリットですが、レイアウトが見やすいので続けやすいです。
どこから始めても、どこでやめても良いように作られている教材は利用者の立場に立っているといえます。
また、あえて意地悪な問題を出題しているため、ひっかけ問題への対策書としては最高峰だと思います。
【TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part 7模試】
難問模試のPart7版。
長文が苦手な人はこれをやりましょう。
990点と謳っているだけあり、難しい単語は出てきますが、癖のない問題集です。
語彙に自身のある人は、面白いのでチャレンジしてみてください。
まとめ
今回は「リーディングスコア 445」(リーディングのみ、リスニングスコアは別。2021年時点本番試験)の筆者が、TOEICリーディング対策についてまとめてみました。
現在総合スコア400~500の人へ向けて書いたので、初心者が手を付けやすい内容を目指しました。
TOEICのリーディングは癖があるので、根気よく対策していくことが必要です。
TOEICを独学している社会人のみなさんが少しでもスコアアップするように願っています。
それでは!
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