概要:応答問題のリスニング
問題数:全25問
配点:約125/495点(※1問5点の場合)
今回はTOEIC700~800レンジの中級レベルでも「一番難しい!」と言われることがあるPart2の解説です。
part2はテンポが速く難しいですよね…
・Part2が一番難しい理由がわかる
・Part2でスコアアップする対策がわかる
・練習問題(無料)で実践して理解できる
・例題はスコア900目線の解説あり
後半では無料の練習問題と解説を用意しているよ!
TOEIC Part2の概要
まず、part2の概要は以下の通り。
概要:応答問題のリスニング
問題数:全25問
配点:約125/495点(※1問5点の場合)
ポイントはこのパートが唯一の3択であること。ズルい言い方をすれば、消去法が使えます。
これだけ聞くと簡単そうですが、次項から説明する理由によってPart2は難関といえます。
TOEIC Part2はなぜ「一番難しい」のか?
TOEIC中級者(スコア700~800)にとって「Part2が一番難しい」と言わせるのはなぜでしょうか?
それは、以下理由が考えられます。
・そもそも情報量が少ない
・それぞれの問題に脈絡がない
・突然訛りが入る
ボクもスコア800を通ってきたから、気持ちがよくわかるよ…
そもそも情報量が少ない
TOEIC初心者は会話速度に慣れていないため、Part3~が鬼門になることは想像できますね。
しかし、中級以上になるとPart3~は正答のための情報を多く聞き取ることができます。
逆にPart2は1語でも聞き取れないとそこで終わりなので、情報量が少ないことはPart2が一番難しい理由の要であるといえます。
それぞれの問題に脈絡がない
Part2は、「最初にオフィスの話、次は道案内」など全く関係ない話が切り替わり25問つづきます。
そのうえ、1問あたりが10数秒で終わります。
これが続くと当然、脳の負担は増えていきます。
脳がつかれてふと気を抜いた瞬間に1語聞き取れないだけで失点するというわけです。
突然訛りが入る
方言ともいえますが、「なまり」(国ごとのクセ)です。
知っての通りTOEICはこの訛りを公式に取り入れています。
つまり、Part2では10数秒ごとに話者がシャッフルされるということです。
話者の例(英語圏)は、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダなどが挙げられます。
いきなりオーストラリア(強い訛り)が来ると動揺するよね…
ちなみに公式問題集の解説欄には、話者の国名が書いてあります。
TOEIC Part2が聞き取れない場合の対策
Part2の速度がはやすぎて聞き取れない人へ対策をあげておきます。
・短文の切り替えに慣れる
・発音記号を理解する
・疑問詞だけに集中する
短文の切り替えに慣れる
Part2は、ほかのパートと違い問題が短くテンポが速いですね。
Part2で満点をめざすなら、問題集でPart2だけを繰り返し解く練習をするべきです。
テンポや訛りに慣れておけば、本番でも冷静に対処できるでしょう。
ボクもスコア800のときは、Part2の強化をしていたよ!
発音記号を理解する
英語が聞き取れないことにはいくつも理由がありますが、根本的には各単語の音が聞き取れないと話になりません。
これを解消するには、
・発音記号を理解する
・単語帳で発音記号をみながら自分で発音する
このステップが必須です。
時間はかかるけど、英語を使いこなしたいなら絶対やっておいた方が良いよ!
ひとつめは発音記号の一覧を参照ください。
ふたつめは、金のフレーズを音読するのが手っ取り早いでしょう。
TOEIC公式問題集の解答欄を使ってCDにあわせて音読するのもスコアアップにつながります。
疑問詞だけに集中する
これはテクニックよりの話なので、最後の手段としてほしいのですが。
最悪聞き取れない問題があって動揺しても、疑問詞だけ聞き取れれば消去法が使えます。
Whoなら人が回答になり、Whenならスケジュールの選択肢が正答ですよね。
ただし、ずらし問題の場合はこのテクニックに頼るとミスのもとになるので注意してください。
TOEIC part2を練習問題で対策
TOEIC part2の練習問題です。
再生ボタンを押すと、すぐに問題が流れます。
(A.)~(C.)の選択肢から正しい応答となっているものを選んでください。
いよいよ実践編です。全問正解できるようがんばってください!
(1.)
解答:(C.)
Q.Which department is on the third floor?
(A.) At eight thirty.
(B.) In a concession stand.
(C.) Facility department.
(2.)
解答:(A.)
Q.When’s the next meeting at the company?
(A.) The last Friday of the month.
(B.) By six o’clock, I think.
(C.) I saw it this weekend.
(3.)
解答:(B.)
Q.When will the surveyor do the legal inspection?
(A.) I don’t know who’s doing.
(B.) He’ll be here on Wednesday.
(C.) We won’t need the inspection.
(4.)
解答:(B.)
Q.Why has the park been blocked?
(A.) For the business trip.
(B.) A play equipment is being repaired.
(C.) I thought it was good.
(5.)
解答:(C.)
Q.Didn’t you submit the report to our boss last month?
(A.) His flight late.
(B.) I stopped a while ago.
(C.) I was not feeling well at that time.
TOEIC part2練習問題の解説と対策
全問正解できましたか?
ここからは、練習問題の解説です。
まだ解き終わってない方は、解いてから先に進んでください。
「疑問詞」のpart2対策
Q.Which department is on the third floor?
(A.) At eight thirty.
(B.) In a concession stand.
(C.) Facility department.
最初の問題です。
TOEICでよく使われる単語「department」がキーワードですね。
「department」は、「売場」のほかにも「部署」「部門」のような意味で使われます。
TOEICでは、どれも頻出です。
ここでは「どの部署か」を確認しているので、「Facility department」が正解です。
注目すべきは、質問文の「Which」です。
Part2では、疑問詞が非常に重要です。
その証拠に、この問題で言えば「Which」と「department」さえ聞き取れれば正解できます。
このレベルでは質問文と同じ単語(department)が選択肢にあるので、内容が理解できなくても正解できちゃうね。
「時制」「時間」のpart2対策
解答:(A.)
Q.When’s the next meeting at the company?
(A.) The last Friday of the month.
(B.) By six o’clock, I think.
(C.) I saw it this weekend.
次の問題です。
ここでも、疑問詞「When」が使われていますね。
「When」が使われる場合は、必ず時間に関する応答を選ぶ必要があります。
しかし、この選択肢は少し意地悪で、
「時間」・「時期」の表現がすべての選択肢に使われています。
このタイプの問題はしっかり内容をつかむ必要があります。
「next meeting」と言っているので、「未来」の会議についてだとわかります。
過去に関する選択肢(C.)はすぐ除外できますね。
「最終金曜日」と答えている選択肢(A.)が正解になります。
「時制」のpart2対策②
解答:(B.)
Q.When will the surveyor do the legal inspection?
(A.) I don’t know who’s doing.
(B.) He’ll be here on Wednesday.
(C.) We won’t need the inspection.
単語レベルが少し上がります。
「surveyor」は「調査官」「検査官」のニュアンス。
「測量技師」の意もある。
「法定点検を行うのはいつか?」
と訊ねているわけですね。
ここでも未来をあらわす「will」が使われています。
つまり、
1文目が流れた瞬間に、同じ時制の選択肢が正解になる可能性が高いことが予想できます。
(B.)(C.)の時制が未来になっていますが、「時期」を回答している(B.)が正解になります。
問題文から状況をイメージして対策
解答:(C.)
Q.Why has the park been blocked?
(B.) For the business trip.
(B.) A play equipment is being repaired.
(C.) I thought it was good.
あと少しなので、頑張ってください。
「公園が閉鎖されている理由」を尋ねていますが、現在分詞「has」に注目です。
これは、「今現在も公園が閉鎖中」であることを示しています。
公園を通りがかった人が、周りの人に質問しているようなイメージを持つとわかりやすいですね。
part2では、聞き取ったフレーズを頭の中で再現イメージを作っておくと回答がスムーズになります。
放送から、外国人が公園を指して「なんで閉まってるんだ?」と聞いているイメージが持てた人はハイスコアを目指せるよ!
疑問詞に対する回答が複数ある場合
この問題には、もうひとつポイントがあります。
使われている疑問詞は「Why」なので、理由を表す表現が正解になると考えられます。
そこで、(A.)を選びたくなるのですが、閉鎖の理由が「出張」では意味が通りません。
「遊具」の修理が理由であることを伝えている(B.)が正解です。
「ずらし」問題に要注意
解答:(C.)
Q.Didn’t you submit the report to our boss last month?
(A.) His flight late.
(B.) I stopped a while ago.
(C.) I was not feeling well at that time.
最後の問題です。
part2では、このタイプの問題がもっとも難易度が高いと言われています。
質問は否定疑問文になっていますが、この場合「Yes」「No」で答えるのが通例です。
しかし、選択肢を見ると「Yes」「No」はありませんね。
このように定石の回答から外れてくるパターンを、筆者は「ずらし問題」と呼んでいます。
呼び方はなんでもいいけど、「ずらし」はPart2 頻出だよ。
しかも、内容をしっかり理解したうえでの回答が求められるので、難しいです。
最初のうちは、このパターンの問題を落としても落ち込む必要はありません。
逆にこのパターンを全問正解できるようならTOEICスコア800~900は狙うことができます。
「ずらし」問題はテクニックでどうにもできないので、「リスニング力」をしっかり身に付けるしかありません。
TOEIC part2対策について
最初に、Part2対策で大切なことから説明します。
part2対策の注意点
Part2対策の注意点は、以下です。
・集中力が切れると即失点につながる
・「ずらし問題」がある
順番に見ていきましょう。
集中力が切れると即失点につながる
Part2は25問が一気に流れます。繰りかえしはありません。
「Part3」以降では、長文の区切りごとに時間がありますが「Part2」にはありません。
しかも、文自体が短いため「聞き逃した時点で即アウト」。特に、はじめの「疑問詞」を聞き逃したら最悪です。
この点が、リスニングで一番難しいといわれる理由だと思います。
ある意味で、TOEIC全体で一番集中力が問われるパートです。
Part2で問題用紙は見なくていいから、深呼吸して挑もう!
では、どうするのか。
幸いPart2は選択肢が3つ(A~C)しかないので、「消去法」が使えます。
ひとつ聞き逃してもなんとかなると思えば、集中を維持しやすいでしょう。
ただし一人目の話を聞き逃すと終わりなので、十分注意しましょう。
・消去法を使う
「ずらし問題」が出題される
Part2は、疑問詞に対する回答を選択するパターンが基本です。
しかし、問題によっては、「時間」を訊いているのに「時間」に直接関係のない選択肢が正解になるときがあります。
これを、筆者は「ずらし」と呼んでいますが、詳しくは練習問題の解説を参考にしてください。
part2対策のコツ
Part2対策のコツは、以下です。
・Part2のマーク方法のコツ
・正解が聞こえたらすぐマークして休憩時間を作る
・疑問詞の正解パターンを知る
Part2のマーク方法のコツ
TOEICではとにかく時間勝負ですが、リスニングは特に時間が重要です。
頭&耳は放送に集中し、解答用紙のマークは最低限の労力と時間で済ませることが大切です。
Part2の放送は、選択肢(A.)~(C)へ向かって流れます。
(A.)の選択肢が流れているときはペン先を(A.)に置き、正解ならマーク、不正解なら(B.)へずらします。
この動きに慣れるだけでリスニングの負担と集中力が大きく変わってきます。
以下の記事でマークシートを配布しているので、練習してみてください。
正解が聞こえたらすぐマークして休憩時間を作る
TOEICは、リスニングパートだけでも全部で100問あります。
すべての問題を最高の集中力とコンディションで回答していくことは、上級者でも至難です。そのため、集中力をベストに保った状態でリーディングへと移行できるように工夫が必要です。
筆者のおすすめの方法は、「決断の回数を減らす」ことです。
具体的には、正解だと思った選択肢が放送されたら、すぐにマークして次の問題に集中することです。
Part2は引っかけが少ないので、正解だと思ったらすぐにマークすべきです。
そうすることで、貴重な休憩時間ができますし、「決定疲れ」を減らすことができます。
疑問詞の正解パターンを知る
part2は、あえて言うなら「疑問詞」のパートです。
「What time~ ?」なら時間を返答している選択肢が正解ですし、「Why ~?」なら理由を説明している選択肢が正解です。
このようなパターンは、練習問題をこなしていくことで身に付いてきます。
具体的には、あとで紹介する練習問題の解説欄で、くわしく説明します。
スコア600~700の人は、スコアアップのチャンスです。
TOEIC part2の対策まとめ
練習問題はいかがだったでしょうか。
TOEICリスニングで高得点を狙うには、「Part1」「Part2」の全問正解を目指す必要があります。
なるべくリスニングでスコアを稼いでおくことがTOEICの定石だからです。
地道に英語力を上げるしかないこともありますが、めげずに継続していきましょう。
続けていれば、必ず英語が得意になる瞬間がやってきます。
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