TOEICを勉強していて、「Part5」に時間をかけすぎて長文に手をつけられなかった経験は誰でもあるはず。Part5はシンプルな短文穴埋め問題ですが、後半に残す時間がここで決まってくるため時間配分を決めておくことは全問回答ができるかどうかに直接関係してきます。
今回はTOEIC900の筆者がPart5の時間配分と、時間を守るためのコツを紹介します。


TOEICはPart5の時間配分ですべてが決まる?

TOEICのリーディングセクションは、「Part5」「Part6」 「Part7」で構成されます。TOEICリーディングの持ち時間は75分ですが、そのうちPart5に割ける時間は長くても10分程度と言われています。

ちなみに、900~のハイスコアを狙う場合はもっと削る必要があるよ。
これは他の問題、特に時間のかかる「Part7」=長文問題に時間を残すためです。
Part5の時間配分で全体が決まる
TOEIC初心者のうちは、各Partに何分時間を割けるかが明確になっていません。もしくは、時間配分が身についておらず、結局想定よりも多くの時間を使ってしまうことになります。
しかし「Part5」の時間配分を意識することで、自然とほかのPartの時間も気にするようになってきます。これは持ち時間が決まっているので、自然と消去法で時間配分が決まっていくためです。初心者の場合、まずはリーディング最初のパートであるPart5の時間だけでも決めたうえで受験することを強くおすすめします。
この時間配分に対しての意識が、後々のハイスコアにつながります。
Part5を短縮して100問すべて回答
やってみるとわかりますが、「Part5」の時間が短縮されると大きな余裕が生まれます。この時間的な余裕は後半で試験中の落ち着きと、回答の正確性を与えてくれます。しかし、なによりも100問すべて回答する可能性が見えてきます。

ハイスコアのための最初のハードルは、全問正解すること。
TOEICのリーディングでハイスコアをとるためには、ボロボロでもいいから全問回答することが、スタート地点になります。これは、「Part5だけ」を見た時にも同じことがいえます。
TOEIC Part5の初心者向け時間配分例
リーディング | 内容 | 回答順番(※推奨) | 目安時間 |
---|---|---|---|
Part 5 | 短文穴埋め問題 | 【 2 】 | 10 分 |
Part 6 | 長文穴埋め問題 | 【 3 】 | 10 分 |
Part 7 | 読解問題 | 【 1 】 | 55 分 |
初心者なら、TOEIC「Part5」の時間配分は10分が目安です。「Part5」は全部で30問なので、単純に平均を取ると1問あたり最大20秒です。この20秒という感覚は最低限もっておいてください。
なお、慣れてくると回答順番は個人によって変わります。筆者は「Part7」から解くことを推奨しているため、「Part5」は後半に駆け抜けることになります。理由は後述します。
初心者なら、Part5の時間配分目安は「10分」
「Part5」の目安は10分ですが、初心者のうちこそ10分を切ることを目標にしてください。これは初心者こそ「Part7」長文問題に多くの時間がかかるからです。「Part5」をどれだけ短縮できるかが「Part7」の余裕を作り100問を全問回答するための条件になります。
TOEIC Part5の時間配分を守るコツ
ここからは、 「Part5」で決められた時間配分を守るコツを紹介します。どれも重要な考え方なので、これらのコツを意識しながら、公式問題集でトレーニングすることをおすすめします。
Part5は「選択肢から見る」

「Part5」は空白のある不完全な短文に対して、4つの選択肢から単語を補充する穴埋め問題です。この4つの選択肢には3つのパターンがあります。時間を短縮するうえでは、このパターンを見破ることが重要になります。
- 品詞問題
- 関係詞問題
- 代名詞問題
具体的に以下で見ていきましょう。
Part5時間短縮のパターン1 | 品詞問題
ひとつ目は「品詞問題」です。例題を見てみましょう。
【例題】To maintain the dishwasher , wipe it with a —— sponge after each use.
- (A) moist
- (B) moistens
- (C) moisten
- (D) moistly
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正解はC:前に冠詞、spongeは名詞なので形容詞しか不可。あとはmoistenが形容詞だと知っているかどうかだけ。食洗器の適切な保管のため、使用後に濡れたスポンジで拭ってください。
これは文法的に可能な選択肢がひとつしかないため、慣れると数秒で解くことができます。
Part5時間短縮のパターン2 | 関係詞
次は関係詞の例題です。
【例題】Japan Meteorological Agency is looking into —— caused the recent earthquake.
- (A) who
- (B) those
- (C) what
- (D) that
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正解はC:earthquake:地震は自然現象なのでA,Bが即座に除外、intoの後は不完全な文なのでWhatが正解。thatは後に完全な文が必要。何が地震を引き起こした原因なのかを調査している。
この問題も、文法的にひとつしか選択肢がなく短時間で解くことができます。
Part5時間短縮のパターン3 | 代名詞
「Part5」代名詞問題の例題です。
【例題】Mr Smith congratulated his team for —— work on the campaign.
- (A) they
- (B) theirs
- (C) those
- (D) their
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正解はD: workが名詞だと判断できれば形容詞しかないと即座にわかる。thoseも指示形容詞であるが、workは単数なのでtheirが正解。
この問題も、文法的にひとつしか選択肢がなく短時間で解くことができます。
Part5では全文読まない?
ここまで例題を見てきて分かったと思いますが「Part5」は全文を時間をかけて読まなくても、もっと言えば、文の意味がわからなくても正解できる問題が多くあります。紹介した例題はすべて意味が取れなくても、文法がわかっていればすぐに解くことができます。
これらの問題パターンを見極めて、意味によって選択肢が決まるような時間がかかる問題に備えることが、目標時間を守るコツです。
Part5は無理に訳さない
初心者のうちは、正直「Part5」の全問全文を読もうとしない方がスコアが伸びます。英語初心者は、英語を理解する際に脳内で日本語に変換しているためです。この「翻訳」作業に時間を使うので、訳す回数が多いほど、時間が無くなってしまいます。
紹介した例文のように、意味を考えなくても回答できる問題は「無理に訳さない」ようにしましょう。
※これは小手先の話なので、英語力を伸ばしたい場合は無視してください。
Part5は「難問を捨てる」

「Part5」では、優柔不断は悪。試験時点で「難しい」と感じる問題は、今あなたが時間をかける必要のない(かけてもわからない)問題です。難しい問題も、英語力が上がってくると自然と解けるようになるので、割り切って未来の自分に任せましょう。
TOEIC Part5では、英検準1級~1級レベルやTOEIC900レベルの単語が必ず出題されます。これがあるので、スコア900を超えるレンジでは語彙力の勝負となり、Part5が一番難しいといわれる理由でもあります。TOEIC900レベルがミスする問題ですから、初心者が挑戦しても解けるはずがありません。
難しい問題に本番で遭遇したら、きっぱりとあきらめていまのレベルで解ける問題に集中しましょう。
Part5は決断力で時間短縮
「Part5」はシンプルですが、上記の理由から上級者でも全問正解は難しいと言われています。レベルの高い語彙を問われる問題や複雑な文法など、難問は上級者にとっても難問です。そんな問題に初心者のうちから挑んでしまうと、全問回答のための時間が無くなってしまいます。
「難問を捨てる」決断力をトレーニングしておくと、スコアを上げることができます。

ボクがTOEIC800のときにも解けない語彙問題が出たけど、5秒で適当にDにマークしたよ。それでも800(当時)は取れたし、むしろそれがあったからこそ取れたと思ってる。

TOEICの一問は所詮おおよそ5点ですからね。
時間が必要な問題もある
これまで見てきた例題は簡単な問題でしたが、中には時間がかかるものもあります。文法的に可能な選択肢が2つある場合は、文意に合う選択肢を選ばないといけません(筆者は意味問題と呼んでいます)。そのためには文意を正確に把握する必要があるため、初心者なら時間がかかります。
しかしあせることはなく簡単な問題で稼いだ時間を、難しい問題に使ってあげればいいのです。1問平均20秒と説明しましたが、最初のうちは難しい問題は20秒を過ぎても問題ありません。筆者の場合、初心者のうちは平均20秒、最大30秒を設定していました。
その代わり、簡単な問題に時間をかけないようにしましょう。
まとめ
今回は、TOEIC 「Part5」の時間配分について、時間目安や練習問題を挙げながら説明してみました。TOEICはとにかく「時間の試験」です。時間はシビアですが、タイムマネジメントは実力より慣れの部分が大きく、初心者でも成果が出やすい部分といえます。TOEICのテクニックと呼ばれる部分なので、前向きに見れば、英語力以外の部分で差をつけられるともいえます。
ここで解説した内容は、本番や模試でトレーニングを続けることをおすすめします。そうすることで、自分に合った時間配分を見つけることができるようになるでしょう。

ボクの場合はスコアを気にせず、時間配分のテスト(確認)のために受験したこともあったよ。
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