今回は、努力をせずに勉強する方法を考えていきたいと思います。全米ベストセラー「エッセンシャル思考」で有名なグレッグ・マキューンさんが書かれた「エフォートレス思考」(かんき出版・高橋璃子訳)の要約を解説していきます。
さて、ご自分には目標があるでしょうか。目標がある人は、その目標に向かって進むために「必要なもの」は何か明確に答えられますでしょうか。
また「努力」「気合」「根性」など効き目がありそうなものはいくつかありますが、これらは本当に必要なのか。
私たちにとって、一番重要なのは「目標を達成する」「目標までのプロセスを楽しむ」のどちらか、もしくは両方でしょう。今回は「目標を達成する」にフォーカスしていきます。
せっかく掲げた目標なら、ぜひとも達成したいですからね。
まず初めに「目標を達成する」に向けてどのような要素が必要なのか見ていきましょう。
エフォートレス思考の要約 |目標達成に必要なもの
要約しながら、目標達成に必要な考え方「エフォートレス思考」を考えていきます。
何かを達成したいと思ったとき、どんな要素が必要か考えたことはあるでしょうか。
例えば、「TOEIC800を取る」「30歳までに年収1000万円を超える」「ギターを弾けるようになる」などそれぞれ目標はあると思いますが、これらの達成に必要な要素は、目標ごとに違うのでしょうか。
「TOEIC800を取る」 なら、参考書が必要ですし、 「30歳までに年収1000万円を超える」 なら指南書やメンター、 「ギターを弾けるようになる」 ならギターと防音環境が必要になるのは当然です。
しかし、それ以外にも必要なものはあるのではないかと考えると、一貫性のある要素が見えてきます。一貫性のある要素はつまり「原理」「原則」です。
「原理」「原則」は応用ができるので、汎用性が高いです。そのため、どのような目標を設定した場合でも役に立つということです。この点を理解しておけば、汎用的なハウツーを学べるでしょう。
「努力」は目標達成には必要ない
さて、本題ですが「努力」とはそもそも美徳なのでしょうか。例えば、「努力してレポートをまとめた」「努力して人と仲良くする」などの「努力」は称賛されるべきものだと思いますか?
「努力」とは「主観的なストレスが高い状態」で、「本当はやりたくない」わけです。上記の例では、「努力してレポートをまとめた」ことと「クライアントがレポートを読んで満足するかどうか」は無関係です。
中身がよければ満足するし、「努力」しても中身がダメならがっかりするでしょう。このような場合、「うまく工夫すれば努力せずに結果を出せるのではないか」と考えるのが本書「エフォートレス」な思考です。
effort -lessですから、「努力をしないで」考えるということですが、「怠ける」こととは違います。いかにして楽に目標を達成するかを考えます。
「気合」「根性」はなくてもOK。
次に「気合」「根性」ですが、これも本書では不要という立場を取ります。「気合」「根性」はストレスフルな状態でありスマートではありません。あくまで本書の主張は「努力をせず」仕組みで解決するということです。
そのため、「気合」「根性」よりも「習慣」「休息」を正とします。
一度の「工夫」は万の益を得る
「工夫」はとても重要です。一度の工夫は、その後何万回もの変化を生じます。例えば、ごみ箱にごみを捨てるときに2通りの方法があるとします。
ひとつはペダルを踏んで蓋を開けて捨てる方法。
もうひとつは蓋のないごみ箱にごみを入れる方法です。
「ゴミ捨てには大した時間がかからないのだから、どちらも同じだろう」と思いますか?
このふたつは1回のゴミ捨てでは大した違いはありません。しかし一生を通して考えると全然違いますよね。
ひとつめの方法を取った場合、死ぬまでに何万回(何十万回)とペダルを踏む必要があるでしょう。一日3回踏むとしても、年に1,000回を超えます。
しかし、ふたつめはどうでしょう。何万回と踏むはずだったペダルは省略され、ただゴミを投げ入れるだけでよくなりました。これが「工夫」です。
「エフォートレス」な思考法では、この工夫を重要とします。一度の工夫が以後何千回という試行に影響を与えます。この点に気づいてアクションを起こすことで無駄な動作や時間が省略され、本当に自分がやりたいことに集中することができます。
「休息」は仕事と同等に扱う
「努力」や「根性」を善とした場合、「休息」を悪とする見方があります。しかし、「休息」は本当に悪なのでしょうか。
アスリートの世界では、「休息」=「トレーニング」という考え方があります。筋肉は使うことで発達するわけではありません。修復することで発達するのです。
「休息」なくトレーニングを続けても、反対に筋肉は落ちます。これは不足したエネルギーを筋肉から消費するためですが、仕事や勉強でも同じことが言えます。
「休息」なく仕事や勉強を続けても、消化不良になり脳疲労が溜まり倒れてしまうでしょう。そうなれば、せっかく努力した結果も水の泡になってしまいます。
そのため、「休息」は「効率を上げるための行為」と言い換えることができます。
「お金」は必要なのか
「お金」は必要でしょうか。必要ですが、大金は不要です。
健康的な食事、勉強のための書籍、趣味やサウナなどのリフレッシュにかかるお金があれば十分です。
「ジムに行かないと運動できない」「スクールに通わないと勉強できない」は甘えです。筋トレなら家でできますし、勉強も家で十分です。
勉強は最もコスパの良い趣味なので、ケチるところではありません。書籍の大量購入・カフェやコワーキングスペースの投資はどんどんやりましょう。
「時間」を確保する意識を持つ
目標達成には「時間」が絶対的に必要であることは言うまでもありません。
幸か不幸か「時間」はスティーブ・ジョブズも、ジェフ・ベゾフも浮浪者も全員に平等な要素です。
一見するとコントロールの効かない要素だと考えがちですが、工夫次第で「時間を浮かせる」ことはできます。方法論については、以下で述べているため参考にしてみてください。
「マインド」を軽視しない
精神論的な話になりますが、ストレス耐性に関わってくるので「マインド」にも触れておきます。前述のように「気合」や「根性」は不要ですが、「マインド」は必要です。
ここでは「物事を楽観的に捉えること」「行動を楽しむこと」が重要になります。
完璧主義者は100%の達成度を目指す人を指しますが、「物事を楽観的に捉える」人は違います。「とりあえずここまで終わらせる」という考え方を取りやすいのです。
この場合、完璧主義者は取り掛かりからあれこれ思い悩むためスタートが遅くなりますが、楽観主義の場合はスタートが早いのです。楽観主義のほうがメリットが多いことに気付いてから、私も意識的に楽観主義になるように行動しています。
仮に楽観主義で失敗したとしても、行動によって得た失敗は次に活かせばいいですし、失敗しなければ見えないことは山ほどあります。失敗した時点で既に前進しているのです。
もうひとつ「行動を楽しむこと」ですが、「嫌々やる(やらされる)こと」と「楽しくやること」の成果量差は明白ですよね。これは当たり前ですが、些細なことにもこの考え方を意識的に取り入れることが重要です。
たとえば、私が皿洗いのような家事が嫌いだとしましょう。しかし、お皿は洗わないと不衛生です。
この場合、お皿洗いを「楽しく」することで問題は解決できます。お皿洗いをするときに「好きな音楽をかける」「お菓子をつまむ」「テレビを見る」など自分の好きなことと一緒にやりましょう。
すると、「皿洗い=楽しい」状態が作れます。そうなればもうお皿洗いは「嫌い」ではなく「好き」になりキッチンに洗い物が溜まることもなくなるでしょう。
この章のまとめ
私は「努力」や「根性」を否定するわけではありません。目標のために努力することや、力を振り絞って継続する姿勢は素晴らしいものです。しかしそのために大きなストレスがかかるなら、別の道もあるのではないかということが言いたいのです。
ウサギとカメの話ではないですが、「一日で全力疾走する」よりも「継続的に一定の成果を出し続ける」ことが近道であることはいうまでもないでしょう。
次に、「エフォートレス」思考について考えていきます。
エフォートレスな思考とは【結論】
エフォートレスな思考とは平たくいうなら「工夫によって楽に目標達成することを目指す」考え方です。
もう少し具体的に見ていきましょう。
仕組化(自動化)する
自分の仕事が直線的か累積的か考えたことはあるでしょうか。直線的とは仕事量に単純比例して成果が上昇することを指します。一方で累積的とは一定の仕事量でそれ以上の成果が積み上がることを指します。
直線的な仕事の場合、捧げた仕事量以上の成果は得られず、当然ながら仕事量がゼロの場合成果もゼロになります。時給制の場合がイメージしやすいでしょう。
累積的な仕事の場合、捧げた仕事量に応じて成果が積み上がるため、一回の仕事量で大きな成果を出すことができます。本の出版や歌手の音楽制作のような著作権から発生するものがイメージしやすいでしょう。累積的の場合は仕事量がゼロでも成果が発生することがあります。
エフォートレス思考では累積型の仕事を選択することを推奨しています。
習慣化する
仕事や自己研鑽を習慣化すると、思いもよらない成果を手にすることができます。これはある意味、楽をするうえで重要な考え方になります。
習慣化とは、「目標達成に必要な行動を一定のタイミングで何も考えずに実行すること」を指します。
例えば私の場合お風呂から出ると、何も考えずに英単語帳を開くのが習慣になっています。これは長期休暇でも年末でも何も変わりません。
この状態になると、傍から見れば「努力」に映る行動も本人にとっては「ただの習慣」です。歯磨きと一緒です。
このテクニックは、ほとんどのことに応用が利く点で非常に優れた方法といえます。しかも思わぬ成果を体験することもできます。
習慣化のテクニックについてあまり考えたことがない人は、本で調べてみることをおススメします。
習慣化の重要性については、このブログで何度か触れていますが、習慣化メインで解説したことはなかったのでいずれ記事を作ろうと思います。
累積的な成果が出る行動を選ぶ
まとめると、累積的な成果が出る仕事を習慣化するのが最強の行動になります。
youtubeやブログで自分の考えを発信する、自分のビジネスを外注して肩代わりしてもらい成果の一部を折半するなど自分にあった選択をしましょう。
まとめ
今回は本の要約です。本を読んでも記憶するにはアウトプットが必要なので、自分の考えの整理の意味を込めて書きました。
おかげ様で読書の際に自分が注視した部分が浮き彫りになり、自分の価値観を知る上でも貴重な機会となりました。
ありがとうございました!
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