オペラント条件付けの強化とは | 例をわかりやすく解説【習慣を利用しよう】

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目標達成に習慣を利用したいと思ったことはありませんか?

オオカミ先輩
オオカミ先輩

TOEICスコアを上げたくて、毎日単語帳をやるみたいなことだね。

筆者もその一人ですが、習慣形成のときに以下のような壁を感じます。

習慣形成の障害

・三日坊主
・ほかの行動に逃げる
・習慣化したい行動を忘れる

心理学用語に「オペラント条件付け」「行動の強化」というものがありますが、これらの問題を解決できるのかを考えていきます。

オペラント条件付けとは

オペラント条件付けは、バラス・スキナーによって提唱された行動分析学の概念です。

科学雑誌「Newton」によると、オペラント条件付け

「報酬や罰に対して、自発的にある行動を行うように学習すること」

としています。

このときに学習される行動を「オペラント行動」と言います。

オペラント条件付けの例

例えば「スマホ依存」「ギャンブル依存」のような行動は、脳の報酬系という神経回路がかかわっています。

ギャンブルで高額の報酬を手に入れた場合、報酬系の神経細胞同士でドーパミンのやり取りが発生して人は快楽を覚えます。この行動を「学習」して、快楽を求めた人はギャンブルに依存することになります。

このようにオペラント行動の頻度が増えることを「強化」といいます。

ギャンブルは悪い例ですが、英語学習を習慣にするときも「強化」を利用すればよいのです。

オペラント条件付けの「強化」とは

オペラント条件付けの強化とは

強化について、もう少し詳しくみていきましょう。

先ほどのギャンブルの例のように、快楽を求めてオペラント行動を増やすことを正の強化といいます。

赤ずきんさん
赤ずきんさん

オペラント条件付けによって私たちが目指すのはこの「正の強化」です。

反対に、嫌悪される刺激によって行動を増やすことを負の強化と言います。

例えば、会社の上司に叱られた日にはヤケ酒をするようになることが挙げられます。

オペラント条件付けは学習の一種で、オペラント行動をとることによって得られた結果が本人にとって有益であることが必要です。

ギャンブルの例では大金を手に入れる、ヤケ酒の例では嫌な記憶を忘れることができる、などです。

オペラント条件付けの「報酬」

オペラント条件付けの強化とは

オペラント条件付けの概要がわかったところで、次は報酬について考えていきます。報酬の要素は、その報酬の「大きさ」と「頻度」に分けられます。

報酬の「大きさ」「頻度」はオペラント行動が強化されるかどうかに影響を与えます。

達成報酬の「大きさ」

オペラント条件付けの強化を成功させるには報酬が必要です。

この報酬を脳が「大きい」と感じる場合、前述の「正の強化」が発生しやすくなると考えられています。

たとえば、あなたが10分の英単語暗記をしたとしましょう。

あなたは休憩のために、大好きなコーヒーを飲もうとします。

しかし、そこに別の人(パートナーor家族)が現れて「よく頑張った。ご褒美にショートケーキをあげよう。」と言ってきたらどうでしょうか。

たった10分の勉強でショートケーキが貰えると思っていなかったので、あなたの脳は快楽物質(ドーパミン)が放出されます。

このとき、「10分の勉強で期待される報酬(=コーヒー)」と「思いがけない報酬(=ショートケーキ)」の差が大きければ大きいほどドーパミンの放出量は増えるとされています。

この場合の「報酬期待値」と「実際の報酬」の差を「報酬予測誤差」といいます。

「報酬予測誤差」が大きいほど、私たちは報酬を「大きい」ものと感じます。これが報酬の「大きさ」です。

赤ずきんさん
赤ずきんさん

この例だと、英単語学習を習慣化できる可能性がすこし上がると考えられますね。

報酬の「発生頻度」

オペラント条件付けの強化とは

オペラント条件付けに用いる報酬は、報酬を与える「頻度」によってオペラント行動が「定着」、つまり強化されるかどうかに影響するとされています。

前述の英単語の話をもう一度考えてみましょう。

あなたは学習を習慣にしたいと考えて、とりあえず1週間学習を続ける決意をしました。そして、学習の後はコーヒー(報酬)を与えることにします。

このときコーヒーは毎日与えるべきでしょうか?それとも隔日や偶然(コインを振って表なら与えるなど)で与えるべきでしょうか。

オペラント条件付けでは、「偶然」によって発生する報酬が最も「定着」「強化」に寄与するとされています。

つまり英語学習を習慣にしたい私たちは、学習の後に「水(小さい報酬)」を飲む日を入れたほうが良いのです。

さらにいえば、学習の後にランダムで報酬が与えられるようにしておくと、「定着」「強化」の確率が最大になります。

ギャンブルの例を考えてみると、報酬は「大きい場合」と「小さい場合」が確率によって発生するため行動を強化する仕組みができていることになります。

まとめ

今回はオペラント条件付けと行動の強化を説明しました。

この話を取り上げたのは、英語学習や読書・運動など習慣にしたい行動を多く持つ人に習慣化の理屈をお伝えしたかったからです。

野球のイチロー選手も現役時代は基礎的な素振りを欠かさなかったようですが、一見簡単に見える行動でも習慣的におこなうことは、大きな結果を得ることがあります。

今回の記事を読んだ人の中からひとりでも、素敵な習慣が増えるように願っています。

習慣の参考書

もっと習慣について知りたい人は参考書をどうぞ。

小さな習慣
表紙に「目標は、ばかばかしいぐらい小さくしろ!」と書かれた本。
習慣化の本を読んだことがない人はこの一冊でいいと思えるほどの名著。

この記事を書いた人
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ひいろ

社会人になってTOEICをはじめ、独学でスコア900を達成。
社会人こそ勉強で豊かになるとの思いから、TOEICスコア800~を取りたい社会人をひたすら応援。
英語はReadingが特に好きで、最近はエスペラント語に手を出している。

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